けいた と おちぇの親方日記

16歳のわんこと暮らすのんびり日記です。

小説「新選組裏表録 地虫鳴く」(木内昇著)

木内昇さんの小説、
新選組裏表録 地虫鳴く」を読んだ。

木内さんの作品は、
同じく新選組ものの新選組 幕末の青嵐」、
日経夕刊の連載小説「万波を翔る」以来。

本作は、新選組の内側を尾形俊太郎、
阿部十郎、篠原泰之進らといった、
無名の隊士に焦点をあてて描かれており、
「幕末の青嵐」を表とすると、裏に当たる。


木内さんの作品には共感できる台詞が多く、
会社で紹介することもある。
ここから先は長いので、飛ばし読みを薦める。

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そういう見切りは、
相応の努力をした後に言うものだ。

状況を見て瞬時に判断するには、
普段から己でものを見ていなければ無理だ。
人物や関係性や様子を己で把握することだ。
それを君はしていない。
それどころか状況を判じかねたのに、
あとになって他から伝えられた報を聞くだけで、
自ら探ることひとつしなかった。
(中略)
付け焼き刃の受け売りなんぞに振り回される
暇に、自分がここにいる理由を持て。

ひとつ言えば十動く、しかもそこで尻尾を
掴まれるようなしくじりはしない。
羽目を外すことも出過ぎることもなく、
すくい上げた事実についた泥を、
丁寧に取り去るようにして仕事を運ぶ。


絶対って事はこの世の中にはないからね。

自信のなさが、無駄な鎧を背負わせる。その抱え込んでしまった荷物が、
今度は周りと調和することも、
易き方へと流れ込むことも拒むのだ。
些末な場所にも琴線を張り巡らし、
ひとたびそこに触れられると
抑制が利かなくなる。

力というものは誇示するものではない。
間断なく、しかし密かに蓄えるものだ。
ここぞというとき浮き上がれるよう、
黙って盤石の態勢を敷くことだ。
正論を、誰彼構わず説くのは愚だ。

過去の責めをいつまでも問い続ける者に、
先はございません。
一度負けた相手を追い詰めるのは容易い。
しかし、どこかひとつ抜け道を作ってやらねば、
追い詰められた相手は再び牙をむきます。
となれば、争いごとは終わりを見ない。
それは真の統治からは程遠い行いでは
ございませんか。

この世にてめえにしかできねえことなんぞ
そうそうねぇんだ。
得手不得手はあろうが、大概のことは替えがきく。
俺がやっている役にしても、俺でなくともできる。

すべてを認めて受け入れる必要はないけど、
禍根を残すのほよくない。否から入ると、
大概失敗する。ずれるんだ、必ず。

ここが嫌だから他へ行く、
というだけでことを起こすことは止めろ。
(中略)
そういう奴は一生それを繰り返すぜ。
己にふさわしい場所を探しているつもりで、
単に己を見失っていくよ。

無駄になるものなんてなんにもねぇんだよ。
やろうと思って選んでできたものは、
どこに繋がっていくんだ。

役に立つ、て。
そういうことを考え出したらキリないで。
だいたいそれは、他人が決めることや。

うまくいかんかったことを他人に押しつけるのは容易いが、
わしはそれをするのが怖いんじゃ。
そういうことを繰り返すと、
他人の人生を生きとるような気にならんかのう。
わしゃそれが一番怖い。
理不尽だとしても自分の関わったことじゃ、
受ければええんじゃ。

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では、今日のおまけ。

たぁたんの可愛い寝顔。










夕べの地震にはたぁたんも驚いたが、
すぐに落ち着いて眠れたので、よかった。

おしまい。